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大川小学校訴訟 専決処分の承認への反対討論
                        討 論   
                   みやぎ県民の声 ゆさ みゆき

みやぎ県民の声を代表し、
議第185号議案【石巻市立大川小学校国家賠償請求控訴事件に係る上告の提起及び上告受理の申し立てについて専決処分の承認を求めることについて】この議案に反対し、討論いたします。
本件は、7月2日の文教警察委員会で審議が行われ、2時間余の議論の末、
上告申立及び上告受理申立(以下、「上告等」と言います)の可否について
議案の採決に至り、反対4、賛成5という結果になりました。大変、遺憾です。
以下にその理由を述べ、議員の皆さんに上告等を行う旨の専決処分の承認に反対することについてご賛同を募りたいと存じます。
まず、私が強調したい点の第一は、仙台高裁判決の内容のすばらしさです。
「組織的過失を認める画期的な判決」とマスコミ各社が評し、
識者は「学校防災の礎となる判決」と指摘し、全国の学校教育関係者らは同判決が指摘する内容に沿った学校防災対策を既に開始していると伺っています。 宮城県がこの判決を不服として上告等をしてもいいものなのでしょうか。
熟慮を促したいと思います。
私は、高裁判決が、「児童らの安全の確保」を求めた 「学校保健安全法は規範的拘束力を有する」と指摘した点、校長の裁量を認めつつも「子どもの命」のように保護されるべき利益が大きい時には、校長らの裁量の余地は狭まると判断した点、これを高く評価したいと考えます。

また、高裁判決が、校長らに期待される平時からの職務を遂行(すいこう)せよと、ごく当り前のことを指摘しているにすぎないこと、その義務は市民以上に「事前の思慮」に基づく当然の職務履行としている点、けっして現場の教師らに過大な責任や義務を課したのではなく、また、校長らに科学者になれといっているものでもありません。判決を正しく読めば、県民の皆様はもとより、教育関係者らからも賛同と理解を得られる内容のものだと考えます。
 
石巻市は、5月8日、臨時議会を開催し、上告等を行うことを可決しました。
当時、みやぎ県民の声は、会派代表者会議において臨時議会の開催を提案し、議長から知事に対し、臨時議会の開催を申し入れましたが、知事は、これに応じることなく、5月9日には専決処分によって上告する旨を議員全員協議会で説明し、5月10日に専決処分手続き及び石巻市と宮城県は共に上告等に及びました。
しかし、本日までに知事から示された上告等の理由は、以下のとおり、いずれも上告等の要件を欠いています。
まず、理由の一つとして、知事は「石巻市臨時議会の判断を最大限尊重する」ことをあげています。しかし、高裁判決は世論の多くの支持を得た「学校防災の範を示す格調高い内容の判決です。」むしろ、知事は、率先して、宮城の地から、同判決が指摘する学校防災の範となるべき対応をすべき責務があるというのに「市の判断を尊重する」との言い分は、県民の意思に反するばかりか、宮城県の学校防災の意識の低さを全国に露呈(ろてい)させる結果になるのではないでしょうか。


また、知事は、「控訴審判決は、発災前の学校現場に余りにも過大な義務を課し、学校保健安全法が求める義務を大きく超え、過去の裁判例の判断基準の範囲を逸脱している」との理由を挙げています。しかし、高裁判決は、津波防災に関し(釜石市のように)、「教育委員会」と「市」と「防災専門家」の三者が相共働して「児童の命を守れ」と指摘しているのであって、けっして「学校現場」に過大な負担を課しているのではありません。
また、同判決は学校保健安全法26条から29条が遵守を求めている範囲内で平時において、なすべき当り前の職務を行え と言っているに過ぎず、なんら学校保健安全法を逸脱する内容でもありません。
更に、知事は「過去の裁判例に反する」と言いますが、過去に津波と学校安全に関する最高裁判決はありません。それどころか「土佐高校落雷被災事件」に関する平成18年最高裁は「引率者兼監督たる教師は、落雷の予兆があれば直ちにサッカーを中止し、サッカー部員を安全な空間に避難すべきであった」として「予兆があれば予見義務を肯定」しています。本件、高裁判決は同最高裁判決に沿う当然の判決であり、判例に違肯などの理由もありません。
また、知事は、「津波到達前に全児童がバットの森に安全に避難できたか
明らかでないこと」を上告等の理由にしていますが、周知のとおり、最高裁は「法律審」であり「事実審」ではありません。避難場所が「裏山」か「バットの森」か、はたまたスクールバスで避難するか否か等々は、いわば「事実認定」の問題であり、最高裁で審理すべき事柄ではありません。
以上から、知事が掲げる上告等の理由は、いずれも全く理由がないものばかりです。にもかかわらず、なおも知事が上告等に及ぶとなると、宮城県は「学校防災の意識が最も乏しい危険な県」との評価を全国から受けることを甘受せざるを得ないことになりかねません。

6月26日、原告(ご遺族)と代理人弁護士との意見交換会で分かったことは、これまで最高裁に5件の津波関連事件について上告等がなされたものの、
そのうち1件は上告棄却、他の4件は不受理決定となったということです。
とりわけ、野蒜小学校事件仙台高裁判決は、遺族側が勝訴し、東松島市が上告等をした事案ですが、最高裁は不受理決定をしています。
もはや最高裁は「受理しない」姿勢を鮮明にしていると言える状況下で、
宮城県が、漫然(まんぜん)、上告をし続けていていいのでしょうか。
今まさに、宮城県は、防災に係る諸施策を進めています。他方で本高裁判決を不服として上告等をすることは、進行する諸施策を否定することになりかねません。
何よりも、重要な議案について、知事は、臨時議会を開かず、専決処分に付することは、議会制民主主義を無視し、県民の理解を得らないのではないでしょうか。県は、速やかに上告を取り下げ、判決を受け入れるべきです。
震災から7年4か月。原告ご遺族の皆さんは、高裁判決について、子どもの命を守る防災につなげる活動を展開したいと希望しています。
かけがえのない子どもの命を、今後の防災につなげる活動を共に前に進むためにも、宮城県議会の議員の皆さんには、私どもとともに専決処分の承認に反対することにご賛同をいただくことを心からお願いし、討論といたします。


【2018/07/22 23:55】 MIYUKI VOICE
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